のんびり寄り道人生

何とかなるでしょ。のんびり生きましょう

看取る夢

 敬愛する養老孟司先生(解剖学者)を看取る夢を見た。

 夢の中で、先生は何度も私の前を通り過ぎては再び現れるのだが、心の師匠を前にメチャクチャ緊張している私は、自分から全く話しかけることができなかった。ただただ熱い視線で先生の姿を目で追っていた。すると、和服姿の女性(先に亡くなられたお母様?)が現れた。そして先生の腕をグイッと引っ張ると、そのままどこかへ連れて行ってしまった。一人取り残された私は”憧れの君”と一言も言葉を交わせなかった無念さに苛まれた。また、肩を並べて歩く二人を見て軽く嫉妬を感じたとたん、悲しみの波が押し寄せてきた。

 ガックリと肩を落として自室に戻ると、なんとベッドの上に先生が横たわっていた!そしていきなり着ていたパジャマのズボンを脱いで宙に放り投げた。私は急展開に驚きながらも裏返ったズボンを手に取った。すると、微かに”汚れ”が付いていた。。。さすがに少し怯んだが、『まぁ、漏らすこともある御年だしなぁ…』と合点し、気持ちを介護モードに切り替えた。そして引き出しの奥から新しい着替えを取り出して差し上げると、先生はさっさと真新しいズボンに履き替え、すっと眠るように亡くなられた。

 何とも呆気ない展開に、まだ気持ちの整理が付かないまま、寝息が途絶えた先生の側に近づいた。すると枕元に私について書かれたカードが一枚置いてあった。そこには私の名前、住所、連絡先に加え、私の好みや思想信条らしきものまで、びっしり書かれていた。まるでサンタクロースから望む品をプレゼントしてもらった子供のような嬉しい気持ちになった。「私のような変わり者でも、ちゃんと理解してもらっている」それが何より嬉しかった。そして同時に、”良き理解者”を失ったことを悟った。夢の中で私は慟哭した。

 あまりにもリアルな夢だった。いつもなら目覚めと同時に忘れている夢の場面を一つ一つ追想できたのが我ながら不思議だったが、昨夜たまたまYoutubeで養老先生の動画をいくつか観ていたからかもしれない。念のためヤフーニュースのトップ記事に訃報が掲載されていないことを確認し、また夢占いのページもインターネットで検索してみた(スピリチュアルな話は盲信しないが、精神衛生上、”悪い夢でない”ことを誰かに言ってもらいたかった)。

 たぶん私の脳の中では記憶の整理が急ピッチで進み、『養老先生、そろそろヤバイかも…』という妄想も加わり、かなり”暴走してしまった”のだろう。ご本人が聞いたら『俺はまだ死んでねえぞ』と怒られそう(笑われそう)だが、そうは言っても1937年(昭和12年)11月11日生まれの82歳。そろそろ”お迎え”が来てもおかしくない御年だ。2004年11月、山口県防府市にて既に生前葬も済まされたという。また”遺言”となる書物も数々、出版されている。無類の昆虫好きが高じ、「虫塚」や「箱根昆虫館」(非公開)も建てられた。

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  さすが養老先生、もはやいつ亡くなっても悔いが残らないよう、最低限の”やるべきこと”は終えられたように見える。ただ、個人的には今まで指針となって前を歩いていた”本物の大人”がいなくなってしまったら、社会不適応者として”生きづらさ”を抱えながら一人歩いて行かねばならない。。。ま、でもそんな弱気なことを言ってても仕方がないので、過去の著書や動画で何とかしのいでいくほかないなぁ。。。など感傷に浸っていたら夢の中以上に泣けてきた。。。(涙)

 それにしても、今朝の夢が「予知夢であってほしくない」という切なる想いとは裏腹に、「もしこれが予知夢だったら面白いなぁ」という邪なる想いが顔を出す。やっぱり子供の頃からの天邪鬼は健在である。

 

(参考:養老先生の近況?動画)

www.youtube.com

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(参考)娘のアキカさんによるベストショット

https://stat.ameba.jp/user_images/20110125/12/sokomaru/9a/12/j/o0460030611004575919.jpg?caw=800

惚れてまうやろ〜(笑)

https://stat.ameba.jp/user_images/20110125/12/sokomaru/16/da/j/o0460030611004571461.jpg?caw=800