ハル・ブレイン - Allegro from MacArthur Park
TOKYO FM「山下達郎のサンデー・ソングブック」で紹介されていた一曲「Allegro From MacArtur Park」を聴くとテンションが上がる。
1968年、アメリカにてジミー・ウェッブがプロデュースした、ハル・ブレイン名義のシングル曲という。詳しい解説は山下氏に譲ろう。(※以下の引用は、9thNUTSさんのブログ「未来の自分が振り返る」より)
さて、ここ5週間お聴きを頂ければ、お判りの通り、ジミー・ウェッブの初期の作品はですね、いわゆるレッキング・クルーと言われるカリフォルニアのスタジオミュージシャンの力なしにはですね、とても成り立たなかったということが、よくお判りになると思いますが。
そんな中でも、とりわけドラマーのハル・ブレインという人は、非常に貢献度が高い人なんですが。
ちょいと番外編としまして、ジミー・ウェッブのプロデュースしたハル・ブレイン名義のシングル「Hal Blaine His Drums & Orchestra」と銘打ってありまして。
68年、ダンヒルレーベルから発売されました。
タイトルが「Allegro From MacArtur Park」という。
MacArtur Parkのアップテンポの部分を引っ張りだして、これをアレンジ、コンダクト、プロデュース、ジム・ウェッブで展開してるというですね。
恐ろしい一作でございますが。
口語だと一部説明が省かれていて少し分かりづらいのだが、つまり原曲「MacArtur Park」からアップテンポの部分(アレグロ)をアレンジしたのが、冒頭の一曲らしい。では、原曲はどんなのか?とサーチしていると、いろんなバージョンが見つかった。
1960年代:リチャード・ハリスのオリジナル・バージョン
1980年代:ドナ・サマーのディスコ風バージョン
1990年代:フォー・トップスのハーモニー・バージョン
(参考)マッカーサーパーク(MacArthur Park)は、ダグラス・マッカーサー元帥にちなんだ公園らしい。
それにしても、色々調べていると、原曲の”不思議な歌詞”が謎を呼んでいるようだ。(※以下、© Universal Music Publishing Group。和訳の一部引用は、Isao Watanabeの'Spice of Life'.より)
MacArthur's Park is melting in the dark
All the sweet, green icing flowing down
Someone left the cake out in the rain
I don't think that I can take it
'Cause it took so long to bake it
And I'll never have that recipe again
Oh no!
♪マッカーサー・パークは暗闇に溶けてゆく…
甘く薫る緑が夕闇に浮かぶ…
誰かが雨の中にケーキを置いていった
わたしはそのケーキを食べられるとは思わない
なぜって、それを焼くのにとっても時間がかかるし、そのレシピを再び得ることはないだろうから。オー、ノー!
何か裏の意味(暗喩)でもあるのだろうか?実話に基づいているらしいが、ケーキのくだりなど何だかよく分からない世界観だ。全く根拠のない勝手な予想だが、この甘ったるい原曲と、訳の分からん歌詞にキレたハル・ブレインが、ありったけのドラミング・テクニックで”一息入れて遊んだ”のが、「Allegro From MacArtur Park」なのではないだろうか?傑作がスピンアウトして生まれる瞬間とは、案外しょうもないことがきっかけなのかもしれない、とふと思った。