のんびり寄り道人生

何とかなるでしょ。のんびり生きましょう

後悔先に立たず

 今、私は後悔の真っ只中にいる。予め断っておくが、全く重い話ではない。単なる失敗談なのだが、あぁ、あの時、まともな思考ができていればなぁ・・・。

 遡ること1年前。仕事でギンギンに集中している最中に1通のメールが届いた。管理部門からだった。システム変更により職員証が更新されるという。そして新職員証に載せる写真データを送るように、との依頼だった。ご丁寧に「こんな写真は受け付けません」という注意書きがギッシリつまったWordファイルも添付されていた。ざっと注意書きに目を走らせながら「あぁ〜、面倒くさいなぁ…データあるんだから勝手に前の写真のせといてよ…」と不平が口を突いて出た。そして提出期限を確認すると、2ヶ月後だった。「なんだ、こんなに先でいいのか。じゃ、あとでやろう」そう考えれば良かったのだが・・・。

 その頃、全くもってミスが許されない(と思い込んでいた)業務に取り組んでいたので、とっとと雑用を片付けて本務に集中したかった私は、すぐさま席を立ち上がり共用カメラを保管場所まで取りに行った。そして鏡を見て自らの容姿をチェックすることもなく、わざわざ他の誰かに撮影をお願いすることもなかった。集中を中断されてイライラしたまま自撮りで瞬撮した一枚をプレビュー画面で確認することもなく、管理部門の担当者にポチッと送信した。そして、さっさと本務に戻り、終電までガシガシ働いた。

 翌日、出勤してから何気に昨夜撮った写真ファイルを開けた。『!!!!!!!!!』撮影時、カメラを持った手が顔の正面より下がっていたようで、レンズは実物よりも「あごを大きく」「頭を小さく」写していた。。そして写真には、中央からやや外れた構図で、乱れ髪の”おどけた火男(ひょっとこ)顔のおっさん”が写っていた。。

 「これが私の”現実”か…」と愕然とした。一夜明けて取り戻した理性は容赦なく自らの”浅はかな行動”を責めてくる。。「管理部門の担当者に謝って、写真データの差し替えをお願いするか?」と、一度は”全うな思考”が働いたのだが、すぐさま自分に都合の良い妄想が遮った。「職員証なんてセキュリティチェックシステム(機械)くらいでしか使わないし、わざわざ誰か人に見せることなんてナイナイ♪」、「あっ!そうだ!!あれほど『こんな写真は受け付けません』って注意書きに書いてあったのだから、きっと管理部門から再撮影の依頼が来るはず♪」。そう自分に言い聞かせて、何事もなかったかのように件の業務に集中した。そして忘れた頃、”痛すぎる写真”付きの真新しい職員証が手元に届いた。。

 その後「誰かに見せることなんてナイナイ♪」と踏んでいた職員証は、複数の人々に見せるはめになり、言葉を失っている彼らに向けて、気まずそうに言い訳めいたことをボソボソつぶやくのが常となった。。「再び大規模なシステム改修でも行われない限り、在職期間中はこの一枚とずっと付き合わなければならないのか・・・一層のこと紛失したことにして”写真ロンダリング”でもしようかなぁ・・・」と後悔がよぎる。。だが、こんなくだらないことで再発行の出費も気がひけるし、何より自らの愚かさを戒めておく意味でも、”赤ら顔※の火男写真”と向き合うことにした。※火男顔、赤ら顔、ニキビ顔など、何度もこの写真を眺めていると、我ながら次々と”ツッコミどころ”が出て来る。ある意味、味わい深い(笑)。

 今度、出張で関係機関に出向することになった。それに伴い、先方から「運転免許証」と「職員証」での身分確認が求められた。。はぁ~っ・・・後悔先に立たず、ですな。。