のんびり寄り道人生

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AbemaTV「逆指名インタビュー」ASKA/亀田興毅

 AbemaTV「逆指名インタビュー」を観た。番組初(第一弾)のゲストは、”完全復活”に向けて精力的に活動を展開しているミュージシャンASKA

 この番組の趣旨が興味深い。(以下、同番組公式ウェブサイトの番組概要より一部抜粋)

ニュースで話題になった人物や、世間の注目を浴びるキーマンたち。
沈黙を貫かなくてはならない状況に置かれてきた人々。。
世間になかなか伝わらない想いや、自ら発信を封印してきた考え、
または、メディアや世論に封印させられてきた「本音」を解禁!
時間をたっぷりとって、じっくりと語っていただく珠玉のインタビュー番組です。

ただし、この番組ではいくつかの特別なルールが!
① 取材を受ける人物がインタビュアを逆指名すること。
② 発言をありのまま伝えるため、極力編集せずそのまま放送。
この人なら真相を語れる、本音を受け止めてくれる。
あの人の質問を受けてみたい、あの人なら「自分」を引き出してくれる。
そんな人物との本音の対談を通して、
これまで語られることのなかった知られざる想いが浮き彫りになります。

そしてASKAが逆指名して選んだインタビュアーはボクシングの元世界チャンピョン(三階級制覇王者)・亀田興毅氏と、異彩を放つプロインタビュアー・吉田豪氏の二人だ。まずは亀田氏との逆指名インタビューから紹介したい。

 インタビューを受けることはあっても、インタビュアーなどやったこともないであろう亀田氏とのトークは、実質的にASKA主導で進められた。ASKAが亀田氏を逆指名したのは、「ただ一言会いたかったから」だそうだが、彼のボクシングの大ファンであり、過去にメディア等で大バッシングされていた頃の”イメージ”を覆したいという、ASKAの思いやりが亀田氏に”自由に発言できる場”を分け与えたかったのだろうと推測している。時折あどけない表情を見せる童顔の元世界チャンピョンは(過去のバッシングゆえ?発言に慎重になっているせいもあるだろうが)、柔和な表情で一つ一つ言葉を選びながら自らのボクシング哲学を語っていた。立場逆転でインタビュアーとなったASKAの熱意が彼の緊張を和らげながら、その人柄をうまく引き出していた。

 何をやってもバッシング、何を言ってもバッシング…。メディアは最盛期の亀田氏を”大言壮語”する”ドン・キホーテ”扱いして”視聴コンテンツ”として”消費”していた。いつの時代も”出る杭”は打たれるものだが、この若者に対するバッシングは当時ボクシングに興味がない私にも伝わってくるほど陰湿ないじめの様相を呈していた。自分に課した高い目標の実現に向けて真摯に取り組んでいた若者の本気度を、”できること”をベースに低い次元でしか生きていない”大人たち”が分かるはずもない…。自戒を込めてそう思う。(若者の”無謀”をのび太のおばあちゃんのように、ただ温かく見守れればいいのだが…若者にウザがられるだけの説教癖は、なかなかなくならないな…)。

 熱い眼差しで「もう一度、ボクシングを」というASKAのリクエストに、365日休みなく続けていかねばならない困難さを理由に「現役への復活はない」と亀田氏は言い切った。世界一を目指すと決めた頃、同じく引退時期も決めていたそうだ。まずは大きな目標(夢)を定め、時間を逆算してスケジュールを立てる。そして”今やるべきこと”を、ひたすら実践し、小さな目標を一つ一つ達成していく。シンプルだが、確実な方法の実践により彼は大きな夢を叶えたのだ。

 ちなみに別の番組だが、AbemaTV1周年記念企画「亀田興毅に勝ったら1,000万円」が話題になっていたそうだ。テレビ全盛の時代を経て、新しい形のインターネットテレビとは言え、メディアから受けたであろう”苦い経験”から逃げることなく、自ら”視聴コンテンツ”となることを決めたという。きっと次なる大きな目標に向けて邁進しているのだろう。現役ボクサーとしての復活はもうないのかもしれないが、この大物はまた何かやってくれそうな予感がする。

亀田興毅氏、ネットで話題呼んだ素人とのボクシング企画「初めは断った」理由明かす : スポーツ報知(以下、同サイトより一部引用)

 亀田氏は「初めは(オファーを)断ったんですよ」という。その理由は「リスクしかない。万が一、ちょっとでも何かあったら(挑戦者が)『俺はあの亀田興毅、世界チャンピオンとええ勝負できた』というだけで『俺、誰々に勝てるかもわからん』という人間が出てくるかも知れない」ことを危惧したからという。

 しかし「客観的に見て面白い企画やな」と思い「ボクシングをもっと世に広めたいというのもあるから、これが一つの起爆剤になればいいなと思い引き受けた」ことを明かした。