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のんびり寄り道人生

何とかなるでしょ。のんびり生きましょう

二人のおじさん

 珍しく出張で飛行機を使うことになった。出張先が実家に近いこともあり、仕事の合間を縫って家族と再会する予定を立てていた。早朝のホームで空港行きの電車を待ちながら仕事に支障が出ないよう入念にスケジュールチェックをしていたところ、目の前でピシャリと電車の扉が閉まった。乗る予定の電車だった。。。まだ寝ぼけている自分のどんくささに呆れたが、空港(国内線)には1時間前に着くように計画していたので、まだ時間の余裕はある。次の電車なら何とか間に合う。ホームは寒いので近くの待合室に入った。

 やがて電車が到着する頃を見計らって待合室を出た。が、数分過ぎても電車が来ない。その時、場内アナウンスがこだました。

「人身事故のため上り線、下り線ともに到着が遅れます」

 慌てて駅員さんに運転再開予定時刻を尋ねると、「人身事故ですから目途なんてたちませんよ」というにべもない答えが返ってきた。。。『仕方がない、タクシーを使うか。。。』タクシーを利用した時の所要時間と参考金額を事前に調べていたので、重なる出費に気乗りはしなかったが、”奇跡”にかけることにした(最悪、予約便に乗り遅れても午後からの仕事に支障はなかった)。急いでタクシー乗り場に向かうと見覚えのあるおじさんが先に待っていた。先程同じホームで見かけた人だ。こちらから相乗りを提案し、朝の交通ラッシュの中、一緒に空港に向かった。

 タクシードライバーにフライト時刻を告げて、高速で行くよう頼んだ。だが、いくら急いでいるとは言え、交通事故を起こされても困る。『急かせ過ぎたかな?安全運転大丈夫かな?』と気を揉んだが、さすがは運転のプロ。小学生が待つ横断歩道にさしかかると黄色の信号でも、ちゃんと停止していた。また同乗者のおじさんも言葉数は少ないものの、こちらを気遣ってくれている様子がひしひしと感じられた。

 道路は通勤車で渋滞が始まっている。。。フライト時刻は迫っている。。。タクシーメーター表示はぐんぐんあがっている。。。『同乗者のおじさんのフライト時刻は余裕があるから、万が一ここで事故が起こると、(相乗りを提案した)私の損害賠償責任が問われる!?』時間の不安がいつの間にか出費の不安に代わっていた。。。

 結局、フライト時刻の2分前に空港に着いた。同乗者のおじさんにはワリカン代+高速代を多めに渡し、保安検査場に猛ダッシュした(脚は悲鳴をあげたが何とか動いてくれた)。受託手荷物もなく、事前にスキップサービスを登録していたのが幸いした。係のお姉さんに誘導されて優先的に検査を終えると、最後の一人として搭乗口を通過した。『あぁ、間に合った~!奇跡だ~!!』と感慨にふけながら座席に腰を下ろした。

 今朝の奇跡について再会早々、家族に話そうかと思ったが、「ふーん、不運やな(笑)」とか「相変わらず(おっちょこちょい)やな」と言われるのがオチだと思い、家族に共感を求めることはやめた。たぶん、この”奇跡”を実感できるのは、いきなり”緊迫した状況”に巻き込まれてしまった二人のおじさんだけだろう。

「おかげさまで間に合いました。ありがとうございます」もう顔も忘れてしまったおじさんたちに、この場を借りてお礼申し上げます!

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