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のんびり寄り道人生

何とかなるでしょ。のんびり生きましょう

ハクビシンの住む家

 念願叶って小さな家を買った。庭は荒れ放題だが、梅の花が芽吹き始めていて、これからの季節が愉しみである。立地もよく、建物や設備は老朽化しているが、建材には立派な木材が使われていて、本物の職人さんが建てた家だというのが素人目にも分かった。不動産屋の営業マンからネガティブ情報をたっぷり聞かされて現地を見学したのだが、一目惚れした。

 この”訳あり”格安物件に2年間も買い手が付かなった訳は、天井に住み着いたハクビシンのせいだ。天井のシミや屋根に付いた小さな足跡がそれを証明した。購入を決定する前に、ハクビシン対策ほか修繕費用を見積もるため、複数の工務店に現地調査を依頼したが、総じて「住むには問題ない」という。専門家の”お墨付き”をもらうことができたので、腹が決まった。若い営業マンを味方につけ、強気の価格交渉を経て売買契約が成立した。

 以前、住んでいた木造家屋の天井にもイタチらしきものが住んでいた(梅雨前には軒先にアシナガバチも巣くっていた)。古い家だったが、天然木が使われていて住み心地は良かった。最初は毎冬、天井を駆けてくる”何か”の音に怯えたものだが、そのうち慣れてくると『また来たか…』、『冬は寒いし、ま、いいっか』と寛容になれた。ただ、(タイミング悪く)泊まっていた来客が屋根の上を走っている”それ”を目撃したことがあった。その際はバツが悪い思いをしたのだが、その証言によると「顔はとても可愛らしかった」そうで、”それ”を本気で駆除する気にはなれなかった。夜中・早朝の一回ずつ、定期的に天井を駆ける音以外、特段問題はなかった。

 以前このブログでも書いたが、今でも上階に住む男子学生の騒音は一向になくならない。深夜2時でも4時でも時間に関係なくドンドンと大きな足音を立てて歩き回り、シャワーを浴び、浴槽の水を流し、キッチンで頻繁に蛇口をひねる。時間が決まっていれば、こちらも何とか合わせるが、深夜から早朝にかけて不定期に繰り返される騒音の度に耳栓をしているので、さすがに耳も痛んできた。何より不眠によるストレスがたまって臨界点に達している。苦情を申し入れても何も対策をとらない管理会社に見切りをつけ、積極的に物件探しを始めた結果、今回の物件にたどり着いた。もしも隣人がマナーを守れる良識人だったら、現在の住まいでも十分満足していただろうと思う。今、自分の人生が岐路を迎え、大きく旋回していくのを、しみじみ感じている。

 家族や友人たちに取り急ぎ報告したところ、”根無し草が根を降ろす”ということで皆が祝福してくれたのだが、こちらとしては足腰の痛みが原因で夢の北海道移住を諦めたところである。。(雪かきは無理だろうし、車の運転は周りにも迷惑がかかる…)ま、どこに住もうがマイペースで生きられる場所が自分にとって一番良い場所なのだろう、とも思う。仕事、リフォーム工事、引っ越し、確定申告など、まだまだ続く忙しさの合間をぬって、ボーッと何もしなくて良い時間は格別に贅沢で幸せな一時だ。終の棲家となるマイホームで庭を眺めながらボーッとできる日が待ち遠しい。(荒れ果てた庭も苔庭風に蘇らせたいところだが、リフォーム費の現実を見据えると優先順位は、かなり低くなる…ハクビシン対策も”イタチごっこ”にならないようハクビシンには「どうかお手柔らかに」と願っている)