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のんびり寄り道人生

何とかなるでしょ。のんびり生きましょう

韓国映画OST / 『千年鶴』Beyond the years

 このところほぼ毎日、韓国映画OST / 『千年鶴』Beyond the yearsをMP3プレイヤーで聴いている。新緑が輝く季節の中、物悲しくも美しい珠玉のメロディーに浸りながら、ゆったりした気分で朝の一時を過ごしている。

 『クリウム(恋しさ)』

youtu.be

 『In a Village(ある村で)』

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  『ピサン(飛翔 〜千年鶴 Main Theme) 』

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 『パクソクティ※』

※韓国伝統音楽パンソリの名曲『春香歌』に出てくる薄石峙(地名かな?)

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 『セタリョン※(鳥打令)』

※韓国民謡に多い”タリョン”は”節”という意味らしい。歌詞にある鳥の鳴き真似が面白い。

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 本作は、東京生まれの音楽家、梁 邦彦(りょう くにひこ、韓国名Yang Ban Eanヤン・バンオン、양방언)氏によるものであり、本作は、韓国で音楽賞も受賞したようだ。ウィキペディアによると、梁氏は日本医科大学在学時よりキーボード・プレイヤー及びコンポーザー、サウンド・プロデューサーとして、浜田省吾氏を始め数多くのレコーディング、ライブに参加していたという。その後も映像音楽(映画、CF、ドキュメンタリ、ミュージカル、アニメーション、オンラインゲーム)の制作や、サウンドトラックアルバムの制作など、現在も多岐にわたる音楽活動を展開しているという。ちなみに梁氏は麻酔科医として勤務していたこともあるそうで、医師免許を持ったプロの音楽家という珍しい経歴の持ち主だ。

 一方、本作の元になった映画本編は、あまり興行成績がふるわなかったようだ。韓国映画界の巨匠イム・グォンテク監督の通算100作目の作品ということで、また日本でも記録的ヒットを飛ばした『西便制〜風の丘を越えて(서편제)』の続編との前評判もあって、劇場公開前は”鳴り物入り”で登場し、かなり注目されていた作品だったのだが・・・残念ながら公開後の評判は芳しくなかった。鑑賞後コメントの多くは、制作者が気の毒なくらい、ボロクソに、あるいはやんわりと否定的に書かれていた(例えば、本作を作らなければ、つまり前作のままで終わらせていれば、イム監督の輝かしい経歴に傷がつくことはなかったなど)。あれから10年が経った今、『千年鶴』をWEB検索しても日本語の関連ページを探すだけで苦労する程だ。一部のマニアを除き、このまま本作は人々に忘れられた”幻の作品”になってしまうのだろうか?

 個人的には前作も含め、ミュージカル映画として音楽メインで鑑賞していたので、(言ってはなんだが)たとえあらすじが”陳腐なメロドラマ”でも、そこそこ愉しむことができた。ちなみにイム監督は(当初からの意図なのか、あまりの評判の悪さに途中で軌道修正したのか)前作と本作との関連性を否定しているそうで、「全く別の作品として見てほしい」と話しているらしい。まぁ、制作者がそう言うのだから、『そう言うものなのか』と、観る側は”その前提”に立つほかないわけだが、登場人物や設定などがかぶる中、何とかパラレルワールドに入ろうとシフトチェンジを試みるものの、乏しい想像力と、前作に対する”愛”や”リスペクト”が邪魔をして、”もう一つのストーリー”を受け入れるのは、なかなか困難であった。。(前作のクライマックスシーンで、主人公の二人は音楽を通じて官能的に愛し合い、そして別れた。不可逆的な時間の流れに逆らって、本作で再び蘇った主人公二人に、最後まで違和感を覚えずにはいられなかった)。

 とりあえずサウンドトラックアルバムをヘビロテで聴きながら、そのうち気が向いたら映画に再び挑戦するかもしれない。イム監督が込めた真の思いを、まだ飲み込めていない気がしてならない。